2026年4月19日 16:00
前回からしばらく間が空いてしまいました。定款の認証手続きが完了したのを受け、さっそく会社設立を実現させたわけですが、ここでも一筋縄ではいかない体験がありました。
今回は会社設立手続きを外注せずに自分で行った体験について書いていきます。特に会社設立の際の手間と費用、何を重視するかによってやり方は人それぞれだと思います。私の場合は費用もそうですが、会社設立の手続きの過程を知ることで、ありとあらゆることへの影響なども理解できると思ったので外注しないことを選択しました。
会社都合の退職
これまで小さな外資系の会社でトータル20年余り働いてきました。職種は経理をはじめ、総務、労務、人事など、いわゆるバックオフィス業務に携わってきました。外資系企業と言っても皆さんの知っている大会社とは違い、海外では上場しているものの、その会社の、例えば営業部門や研究開発部門などの一部を日本に置いている会社で、さらに日本で一般的には知られていない会社が多いです。
そのような会社ですが外資系には変わりなく、経済状況やパフォーマンスによって人員を調整することは日常的に行われます。
そして私の就業していた会社でも組織再編という形でやってきました。ただし、私の場合、半年前には起業する方向で退職を決めていたこともあり会社都合退職を受け入れることには全く抵抗がありませんでした。むしろ失業給付が手厚くなり会社設立準備を始める身としてはありがたい出来事でした。
2025年8月末、念願の退職となりました。そしてハローワークにて失業保険の手続きを終え失業保険を受け取りつつ会社設立準備に入りました。
予想外の出来事その1
ちなみに失業給付は、上限が設けられているので、会社員時代にたくさん稼いでいた人にとってはとても少なく感じると思います。これは『最低限生活に必要なお金」と捉えれば妥当な金額と思います。さらに早めの再就職が達成できると、日額支給額と所定給付期間残日数をベースに再就職手当が給付されます。例えば、日額支給6,000円の人が所定給付期間残日数200日あったら6000円x 200日x 70% = 840,000が再就職手当となります(この支給率の70%は残日数がどのくらいかによって変わります)。日額支給額と給付期間残日数によって各々結果はことなるため個々で計算してみてください(これはあくまで計算例です)。再就職手当については退職が決まってから実際に退職するまでの間に自分なりに調べて得た『予想外』の一つめです。
やっと会社設立!と思いきや 予想外の出来事その2
無事に失業保険関係は終わり念願の会社設立!とワクワクドキドキしながら手続きについて調べました。というのも自分でできることはすべて自分でやる主義の私、専門家に設立手続きを依頼することを当たり前には思いませんでした。これまで20年余り会社の事務に携わったことで間違えても何があってもどうにかなることを知っていたからだと思います。
そんな中で、どうせ依頼しないのならとことん節約していこうという考えになり、色々調べているうちに行政のスタートアップ助成を受ける記事に辿り着きました。そこに書いてあったこと
『創業支援セミナーを全4回受けると登録免許税の半分を行政が負担』
そして次の日には手続き窓口にて申し込み、1週間後からセミナーを受けることになりました。
ここで『予想外』2つめが発生。
行政によるセミナーは一週間に1度しか受けられない、どんなに早くても4週間後に終了、その後、修了証書発行に1週間程度、結果、会社を設立できるのは5週間後になることになりました。
正直悩みました。助成を受けずに設立して、さっさと営業を始めれば早めに収入を得られるのでは?と。ただし2026年4月現在無収入の私が考えると無理でしたが🥹
すべてを受け入れてセミナーを受け助成を使うことにしました。ちなみに、どの機関が行なっているかわかりませんが、いくらか支払うことでオンラインセミナーを受けスタートアップ助成が受けられる仕組みもあるそうです。ご興味のある方は調べてみてください。私は無料でした。
会社退職が2028年8月末、失業保険給付完了が10月末、そしてスタートアップ助成制度のセミナー受講が終了したのが11月の終わり、受講証明書を受け取ったのが12月はじめ、退職から既に4ヶ月目です。
『さっさと営業して元を取る』ことはこの間たびたび考えました。でも、セミナーを受けてかなり助かったことも事実です。
会社の事務全般をやってきたとはいえ、自分自身の会社経営者の立場で実際に資金繰り、予算を作るのは初めてでしたので全体的な目的と細かい書き方を丁寧に教えていただき、将来融資が必要になったときにも役に立つと思います。そのうえで登録免許税を半額負担してくれるなんて神ですよ。
やっと会社設立が叶った日
そんなこんなで2025年11月14日、オンラインにて会社設立を実現できました。以前書きました、定款の認証手続きにはかなり手こずったので今回もそのつもりで覚悟を決めていました。が、必要書類さえそろっていればかなりスムースに行うことができました。何が違うかというと、電子認証が違うのです。定款認証の際の電子証明書はある一定の形式に限定されているため、それに合わない形式はすべて却下されます。
必要書類(今回のケース)
・公証役場で認証を受けた電子定款 ==> 事前に公証役場にて認証を受けたもの 定款は会社の目的や全体的な規定が書かれています。難しいモノではないので十分自分で作れます。
・就任承諾書 ==> 設立時取締役に選任したことを承諾する旨の内容
・設立時取締役選任及び本店所在地決議書 ==> 発起人により設立時役員、および、本店の所在地を決定した旨が記載されたもの
・発起人の同意書 ==> 発起人に割り当てられる設立時株式の数と金額などを定めたもの
・(資本金の)払込を証する書面 ==> 設立時の資本金の払込の証明となるもの 発起人個人の口座から会社名義の口座へ資金が移動したことを証明できるもの
・自治体のスタートアップ助成のセミナーを受け、助成を受けられることを証明した書類 ==> オンライン申請後に法務局へ郵送します
これ以外にも必要となる書類がある場合もありますが、取締役会設置会社などの会社形態や窓口申請かオンライン申請かにもよって異なるため、それぞれのケースごと確認が必要です。詳しくは法務局のWEBサイトにてご確認されることをお勧めします。
オンラインでの登記申請時の会社の登録印鑑は不要、一緒に印鑑を申請する場合は電子化された印鑑を用意のうえ会社設立登記と同時にする場合に限りオンラインで登録ができます。私の場合は会社印を作るのがおそかったため、会社設立登記の手続き後に窓口にて印鑑の登録を行いました(法務局はアクセスの悪いエリアにあることが多いため、設立登記と同時に行うことをお勧めします)。設立登記時以外に印鑑を登録する場合にはオンラインではできないのです。
さらに、支払いですが自治体の助成を受けた場合にはオンライン申請の画面上でその旨を表す項目にチェックを入れて所定の金額をオンラインバンキングから支払います。ちなみに私の会社は資本金500万円の株式会社で本来なら15万円の登録免許税が自治体の助成で75,000円でした。登録免許税は会社の形態(株式会社、合同会社、合資会社、合名会社など)と資本金の額によって変わります。
そして電子証明書を付与して手続きは完了、必要書類を郵送して法務局からの連絡を待ちます。
オンライン申請と書類が先方に届いたタイミングで補正があれば、その旨の連絡があり、補正して再送信、問題がなければ会社設立手続き完了の連絡があります。
株式会社の設立は中身は難しそうですが、個人的には定款の認証手続きが大変だったせいか拍子抜けするぐらい簡単に感じました。おそらく、これまで会社員時代に行なっていた会社の事務で慣れていたこともあると思います。さらに大学が商学部だったため、会社に関することはおおよそ知っていたことも大きいと思います。
まだ終わらない法人設立後に必要なこと
やっと会社設立登記まで終わったとホッとしたいところでしたが設立後一定の期間内(二週間以内などが多い)に各機関に届け出る必要があるものがずらっとあります。税務関係、社会保険関係、労働保険関係など。これも、会社の構造に携わった方でないと、わからないことだと思います。その点、あんなに辞めたい会社でしたが、その経験が役立ちました。
こちらの申請も”オンライン”法人設立ワンストップサービス”を使いました。
これがまた、かなり重かったです。オンラインとはいえ、40ページ以上に渡り税務、社保、労務などの情報を入れていくのです。いやいや、本当に疲れましたよ。座ってPCを操作しているだけなのに、こんなに疲れたのは初めてかもしれません。
これも従業員を雇うのかどうか、役員報酬を設定留守かどうか、および、消費税の取り扱いをどうするのか、などといったことを細かく入力していきます。
行政からのフィードバックは特になく、入力は大変でしたが特に問題なく完了しました。
以上が私の設立登記に関する内容です。お金のことだけを考えれば、電子定款による登記で登録印紙税40,000円が不要になり、区のスタートアップ助成(無料)を受けることで登録免許税が75,000円、合計で115,000円の節約ができました。この金額をどうするかは個人の考えによると思いますが私はやって良かったと思っています。正直大変すぎて途中で、お金を払っても司法書士さんなどの専門家に頼みたいと思いました。しかしながら退職して時間があるのだから専門家にお金を払って依頼する理由がなかったのです。
加えて、大学やこれまでの会社の仕事で得た知識のおかげでここまで自分でできることができました。そのような知識や経験がない方も少なくとも会社設立登記の部分は自分でできると思います。また、行政のスタートアップセミナーは無料で経営に必要な資料の作り方を丁寧に教えてくれます。場合によっては柔軟に対応していただいて必要に応じて相談に乗っていただけたりもします。
これにてやっと設立手続きが終わりました。と同時に会社の創立にかかった費用の領収書が貯まり、何かが進めば何かが溜まる。。。を繰り返しています。
そして次は不動産会社として宅地建物取引業の免許取得手続きです。これもまた一筋縄で行かない、そして、それが完了してやっと不動産会社としての営業ができる、本当に長い道のりです。



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