2026年5月7日 13:26
先日、2回目となる外国人への住まいインタビューを行いました。 (インタビューに関して動画の場合はYouTubeに公開しています)(外国人への住まいインタビュー#1はこちらhttps://youtu.be/mj-4FK6UHu8)公園で読書をしていたオーストラリア出身、日本在住30年以上の男性。一度は「ちょっと迷惑かな」と通り過ぎましたが、どうしても本音を伺いたくて、深呼吸をしてから引き返しました。躊躇しながらも思い切って声をかけたところ、彼は快く、そして非常に深い「本音」を聴かせてくれました。
繰り返される回答「外国人だから」
今回、私は以下の3つの質問を投げかけました。
- 日本でのお部屋探しで一番大変だったことは?
- どんなサービスがあったら良かったと思うか?
- 日本での暮らしで一番のカルチャーショックは?
前回のインタビューも同様でしたが、今回も全ての質問の答えが「外国人に対する制度的な壁(差別)」という一点に集約されるという結果になりました。
一番目の質問に対しては、「外国人が受け入れられないこと」が何より大変だったと語ってくださいました。外国人だからダメという大家さんが多すぎて、何軒もの不動産屋を回っても全然決まらなかったという、切実な一次情報を得ることができました。
絶望の構造「Catch-22」
特に印象的だったのは、2番目の「サービスやシステム」に関する回答です。 「日本は人口が減り、高齢化社会で人手も足りないのに、外国人を受け入れるシステムが全く回っていない」と、彼は非常に強くおっしゃっていました。
そして、彼がこの状況を表現するのに使った言葉が『Catch-22(キャッチ・トゥエンティトゥー)』でした。
私は初めて聞く言葉でしたが、これは英語圏では非常に有名な表現で、「解決したいのに、その条件を満たすためには、先に解決済みでないといけない」という矛盾した「詰み」の状態を指すそうです。
今回のケースに当てはめると、まさにこうです。
- 外国人入居の実績がないから、大家さんが不安で貸さない。
- しかし、受け入れない限り、実績は一生増えない。
- 不動産会社もトラブルを避け、最初から紹介を諦める。
- だから外国人側は、ますます実績を作れず苦労する。
今の不動産業界が抱える構造的な問題を、これほど的確に表す言葉があったのかと、会話を通じて教わった事実に戦慄すると同時に、私のインタビューの意図が相手に深く通じたことがとても嬉しく感じました。
日本語力や滞在年数では解決できない「壁」
3つ目のカルチャーショックについての質問では、30年以上日本にいる彼にとって、地下鉄サリン事件や阪神淡路大震災が強く記憶に残っているというお話が出ました。
しかし、不動産の問題に立ち返れば、やはり「1番目と2番目の答えと同じになってしまう」とのことでした。
ここで非常に重要な事実は、日本に30年以上住み、日本語も堪能で、文化を深く理解している人であっても、最大の困りごとに「住宅問題」を挙げたということです。これは、日本語力や滞在年数といった個人の努力だけでは解決できない問題が、今の日本に厳然として存在している証拠でもあります。
実際、私の日々の業務でも同じ矛盾に直面します。30年以上住み、日本が大好きで仕事もしっかりしている。そんな方でも「外国人」と一括りにされ、審査の土俵にすら上がれない。支払能力や職業については保証会社が審査するはずなのに、入り口で全てお断りというのは、あまりに丁寧さに欠け、個人の尊厳を否定する行為ではないかと感じてしまいます。
点を打ち続けるということ
正直なところ、この業界の古い習慣には心が折れそうになることがしばしばあります。お金儲けだけを考えて、人を傷つけたり嘘をついたりすることが当たり前になっている空気を感じるからです。
ですが、今回のインタビューを通じて、「一人でこうやって行動することにも意味があるんだよ」とお相手から勇気をいただきました。
今はまだ小さな、一人の活動に過ぎません。それでも、この活動を粛々と続けていきたいと思います。いつかどこかで、この「点」たちが繋がり、業界を変える「線」になるときまで。



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