「実家を売りたいけれど、もう築年数がかなり経っているから売れないのでは?」
「長い間住んでいる家なので、どこが傷んでいるのか自分でもよくわからない」
そんな不安を抱えている方に、ぜひ知っていただきたい制度があります。
2026年に始まった国土交通省の「既存住宅流通活性化緊急促進事業」です。
既存住宅流通活性化緊急促進事業とは
近年、特に大都市圏では住宅価格が大きく上昇し、若い世代や子育て世帯などにとって住宅を購入することが難しくなっています。
一方で、すでに多くの空き家が存在しています。今後も、長年住んできた方が高齢になって住まなくなった住宅や、相続したものの子ども世代が利用しない住宅などが増え、使われないまま残される住宅がさらに増えていくことが考えられます。
そこで、こうした既存の住宅をできるだけ有効に活用し、次に必要とする人へつないでいこうというのが、この制度の大きな目的です。
国の資料では「若年・子育て世帯等にとってアフォーダブルな住宅の供給を促進する」とされています。
「アフォーダブル」という言葉は少しわかりにくいですが、簡単に言えば、若い世代や子育て世帯などが無理なく購入を検討できる価格帯の住宅を増やしていこうという考え方です。
そのために、古い住宅を売却・流通させる際に必要となる「既存住宅状況調査(インスペクション)」やリフォームの設計・提案、一定の補修工事などについて国が支援します。
どのような支援が受けられるの?
制度の主な支援内容は次の3つです。
①既存住宅状況調査(インスペクション)
補助額:1戸あたり5万円
②リフォーム設計・提案
補助額:1戸あたり3万円
③既存住宅状況調査で必要と判断された一定の補修工事
補助額:1か所5万円、1戸あたり上限15万円
このうち、既存住宅状況調査は必須となっています。
なお、補修工事であれば何でも対象になるわけではなく、建物の構造上重要な部分など、制度で定められた箇所の補修が対象となります。
また、対象となる住宅や地域などにも条件がありますので、すべての中古住宅が利用できる制度ではありません。
築年数の古い住宅ほど「わからないこと」があります
私は現在、さいたま市内で築45年前後の中古戸建の売却をお預かりしています。
売却にあたっては、役所で資料を調べたり、道路やライフライン、ハザード情報などを確認したり、現地でも建物や周辺の状況を確認しています。
それでも、宅地建物取引業者による物件調査だけではわからないことがあります。
たとえば、建物の構造部分が現在どのような状態なのか。
雨漏りにつながるような劣化がないか。
床下や基礎などに問題がないか。
専門的な調査をしなければ判断できない部分については、私が役所でどれだけ資料を調べても、それだけで「建物に問題ありません」と判断することはできません。
そして築年数が古くなればなるほど、こうした「見えない部分」は購入する方にとって大きな不安材料になります。
「古いからダメ」ではなく、まず現在の状態を知る
そこで今回、私がお預かりしている物件についても、この制度の活用を検討しています。
まず専門家による既存住宅状況調査を行い、現在の建物の状態を確認する。
そして、補修が必要な部分が見つかった場合には、その内容を確認したうえで必要な対応を検討する。
こうすることで、
「築45年だから何となく心配」
という状態から、
「どこが大丈夫で、どこに補修が必要なのか」
を具体的に考えられる状態に変えることができます。
これは購入する方にとっての安心材料になるだけではありません。
売主にとっても、自分の住宅の現在の状態を知ったうえで売却を考えられるというメリットがあります。
「こんな古い家、売れないよ」と思う前に
不動産の仕事をしていると、
「実家が古すぎるから売れないと思う」
「もう何十年も住んでいる家だから価値なんてないでしょう」
という話を聞くことがあります。
でも、築年数が古いという理由だけで、その住宅に価値がないと決まるわけではありません。
土地としての価値もありますし、建物についても、まずは現在どのような状態なのかを確認してみなければわかりません。
特にこれから相続などによって古い住宅を引き継ぐ方は増えていくと思います。
「売る」「貸す」「自分たちで使う」「しばらく維持する」。
どの方法を選ぶとしても、まず建物の状態を知ることは、その後の方向性を考えるための一つの材料になります。
既存住宅流通活性化緊急促進事業では、対象となる住宅について、こうした既存住宅状況調査などへの支援が用意されています。
「古いから売れない」と最初から諦めてしまうのではなく、利用できる制度がないかを確認し、建物の状態を調べてから今後を考える。
そんな選択肢があることも、ぜひ知っていただければと思います。
ご自宅やご実家などについて、
「古い家だけれど売却できるのだろうか」
「相続した家をどうしたらいいかわからない」
「建物の状態を調べてから売却を考えたい」
という方は、まずは不動産会社などに相談し、対象となる制度が利用できるか確認してみるのも一つの方法です。
※「既存住宅流通活性化緊急促進事業」は対象となる住宅・地域・申請時期等に条件があります。また、予算の状況等により受付が終了する場合があります。利用を検討する際は、最新の制度内容をご確認ください。
古い住宅の売却について、お気軽にご相談ください
「実家を相続したけれど、古い家なので売れるのかわからない」
「長年住んでいる家を売却したいけれど、建物の状態が心配」
「既存住宅流通活性化緊急促進事業を利用できるのか知りたい」
このようなご相談は、当社でも受け付けています。
古い住宅だからといって、最初から「売れない」と決めてしまう必要はありません。まずは物件の状況を確認し、必要に応じて既存住宅状況調査なども活用しながら、どのような売却方法が考えられるのか一緒に整理していきます。
ご自宅やご実家、相続した住宅などの売却でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
※「既存住宅流通活性化緊急促進事業」は、対象となる住宅・地域・申請時期等に条件があります。制度の利用可否についても、物件の状況を確認しながらご案内いたします。



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